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70's W. Germany THW Pilot 初期型 モールスキン ワークジャケット 260925H

通常価格 ¥17,380 (税込)
通常価格 セール価格 ¥17,380
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date...1970

measuring_size...52cm/60cm/77cm/62cm
(Shoulder width[肩幅]/body width[身幅]/Body Length[着丈]/Sleeve Length[袖/ゆき丈])

condition...シミ、汚れ。スレ。色褪せ。ペンキ、リペア跡。ボタン欠損。着用感。

note...パイロットと呼ばれていたのに、空とは何の関係もない上着です。

名前の出どころは、生地のほう。
ドイツでPilotstoff、あるいはEnglischleder、イギリスの革と呼ばれてきた綿のモールスキンです。
目を詰めて織った表は、指でなでると少しひんやりとして、裏は起毛してネルのようにやわらかい。

THWは1950年、戦後の西ドイツで連邦内務省のもとに生まれた技術救援の組織です。
洪水や事故の現場で水をくみ上げ、橋を架け、瓦礫をどける。
武器ではなく、工具と重機を持って出ていく人たちで、そのほとんどがふだん別の仕事を持つボランティアです。
1963年から彼らに支給されたこのグレーの作業服は、生地の名前からPilotと呼ばれ、90年代の終わりまで現場で着られていました。

肩から胸と背中にかけて、もう1枚の生地がかぶさっています。
コラーと呼ばれる二重のヨークで、前は胸の上、後ろは背中の真ん中で、黒い樹脂の釦で留めてある。
胸ポケットには箱ひだ、腰には釦2つで留める大きなフラップ。
袖口はシャツのカフスのように釦の位置で幅を変えられ、肘には楕円の補強が当たっています。
身頃の裏の小さな物入れは、自分や仲間の傷をすぐ縛れるよう、包帯を入れておくための場所でした。

この箱ひだと、背中を釦で留める作りが、初期型の証。
80年代に入るころには、胸は平らなポケットになり、ヨークは背中に縫い込まれ、腰のフラップも隠し釦ひとつに変わっていきます。
襟裏のラベルには、MetzingenのWursterの名と、1972年の発注と思われる218/72の番号。
Pilotを納めていたメーカーのひとつです。

なにより、この個体は色がいい。

灰色はいま、鉛筆の芯みたいな淡いチャコールで、肩や襟、胸の縁はさらに白く擦れています。
フレンチワークのモールスキンとはまた違う、少し乾いたドイツのグレー。
ユーロミリタリーの定番、ドイツ連邦軍のオリーブと同じ系譜の生地ですが、灰色のPilotを見かける機会はずっと少ない。

肩から下りた重なりが胸の上でふっと浮き、ほつれた端から糸が垂れ、その上を、のちに夜の現場のため加えられたらしい反射テープがまっすぐ横切る。
灰色一色の中で、あとから足されたものだけが少しずつずれて重なっている。
90年代のヘルムート・ラングやマルタン・マルジェラを見てきた人なら、どこかで見覚えのある景色のはずです。
格好のために付いたものはひとつもないのに、いま見ると、ずいぶんハードコアな服に見えます。

左腕には、1973年から使われてきた三角のワッペン。歯車の中に、THWの文字が組まれています。
その下に、ていねいな繕いがひとつ。
右胸には青地に黄色い縁のワッペン。袖や肘には青いペンキのしぶきが散っています。
着られるほど硬さのとれる生地で、いまはすっかり手になじむ柔らかさです。

1999年、嵐Lotharのあとのフランスで復旧にあたったTHWの人たちを、現地の人々は青い天使と呼びました。

それよりずっと前に作られた、この一着の天使は灰色です。
袖に、青いペンキをつけたまま。


model...cm

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