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【LABORATORY®前田のブログ #79】見えなくなっただけ

【LABORATORY®前田のブログ #79】見えなくなっただけ


たまーに、

なんの前触れもなく読書欲がやってくる。

いつまで続くか分からないけど、しばらくは読書ウィーク。


村上春樹の新刊も読んでみたけど、

やっぱり小説より、哲学っぽいもののほうが好きらしい。

根っから本が好きなわけではなくて、

ただ、そのとき気になっていることを知りたいだけなのだと思う。

読書家というより、調べものの延長に近い。


そんな自分のつまらなさはまあいいとして

ここ最近ずっと考えていたことに合いそうな本を探して、

若松英輔の「悲しみの秘義」に出会った。


日経新聞の連載をまとめた薄い本で、一篇ごとに誰かの詩や文章が置かれている。

著者は妻を亡くしているのだけれど、そのことを正面から語るわけではない。

ただ、どの文章にもずっと、言葉にならない悲しみが流れている。


死は別れではなく、その人との新しい出会いの始まりだ。


人が亡くなれば、もう会えない。

姿を見ることも、声を聞くことも、触れることもできない。

普通に考えれば、それは別れだと思う。


けれど、

見えなくなることと、存在しなくなることは、

たぶん同じではない。

会う方法が変わっただけで、関係はそこからも続いていく。


喪ってから、ようやく分かる言葉がある。

何年も前の会話を突然思い出して、

あのとき言っていたのはこういうことだったのか、

と気づく。

生きていた頃よりも、その人を近くに感じる瞬間さえある。


出会った意味を本当に知るのは、

もう会えなくなってからなのかもしれない。


悲しみも、消したり乗り越えたりするものではない。


人は悲しんでいると、早く元気にならなければと思う。

周りも、そろそろ立ち直ってほしいと願う。

でも、悲しみがあるから生きていられることもある。


逝った人を思うときの悲しみは、

その人がもう存在しないからではなくて、

手の届かないところにいるから生まれる。

だとすれば悲しみは、不在の証拠ではない。

今もその人がいることを、知らせるものなのだと思う。


誰かを深く愛すれば、その人を失ったときの悲しみも深くなる。

愛することは、いつか必ず訪れる悲しみを育てることでもある。

それでも、

愛して、そして失ったことは、一度も愛したことがないよりもよい。


少しひどい話にも聞こえるけれど、たぶん本当にそうなのだと思う。

失ったものばかりを見ていると気づけないけれど、

その悲しみの中には、出会えたことへの喜びも残っている。


同じ悲しみなど存在しない。

同じように親を亡くしていても、パートナーを亡くしていても、

その悲しみは同じではない。

その人と何を話し、何を受け取り、どんな時間を過ごしてきたかは、

本人にしか分からない。


だから他人の悲しみを、完全に理解することはできない。

でも、同じではないからこそ、二つの悲しみは響き合う。


一人で悲しんでいるとき、人はひどく孤独になったように感じる。

でもそのとき、

同じように誰かを失って、一人で悲しんできた無数の人たちと、

時間も場所も越えてつながっている。

一人で悲しむことは、必ずしも一人になることではないのかもしれない。

悲しみを通してしか、触れられない他者がいる。


それが、悲しみの秘義なのだと思う。


もう二度と会えないと思っていた人の存在を、

悲しみの中に見つけることがある。

思い出して泣いているのに、

同時に、その人に出会えてよかったと思っている。

もういないことが悲しいのではなくて、会えないことが悲しい。

悲しいのに、どこか満たされている。


若松英輔はそれを、

"歓喜に溢れた悲しみ"と呼んでいる。


悲しみと歓びが同時にあるなんて、少しおかしな話に聞こえるけれど、

大切な人を失ったことがある人なら、たぶん分かる瞬間がある。


悲しめるのは、出会えたからだ。


書かれた言葉も、

読まれることによって初めて、この世に生を受ける。

読むことは、すでにある言葉を受け取ることではなくて、

もう一度生み出すことでもある。


そんなふうに本を読んだことはなかった。

本の中の言葉は、書かれた時点でもう完成しているものだと思っていた。

でも誰にも読まれなければ、その言葉は閉じられたままになる。

誰かが読んで、自分の経験と重ねることで、

何十年も前に書かれた言葉が、今ここに生まれ直す。


それは、亡くなった人が、

思い出す人の中にもう一度現れることと、

どこか似ている。


優れた詩を読むことは、書き手と言葉を交わすことでもある。

けれど、詩はあくまで扉であって、

その先で向き合う相手は、結局、自分自身。


本を読んでいるようで、自分の中にあるものを読んでいる。

だから同じ本でも、心に残る場所は人によって違うし、

若い頃には何も感じなかった言葉が、歳を重ねてから急に分かることもある。


本が変わったわけではない。

変わったのは、読む側のほう。


この本と出会う前と後では、悲しみの見え方が少し変わった。

悲しみは絶望と一緒にあるものだと思っていた。

でも本当は、

それでもなお生きようとする人の中に生まれる、

勇気や希望の証なのかもしれない。


悲しみの奥にしか見えないものが、

この世にはある。

見えないから、存在しないわけではない。

人も、愛情も、残された言葉も。


ただ、見えなくなっただけなのだと思う。


この本を読んで、もっと本を読みたいと思った。

自分がまだ知らない言葉の中に、

これからの生き方を変えるものがあるかもしれない。


大切な人を失って、

まだその悲しみの中にいる人に読んでほしい。

悲しみを消してくれる本ではないし、元気にしてくれる本でもない。

ただ、

その人は本当にいなくなったのか。

悲しむことは、ただ苦しいだけなのか。

そんなことを、これまでとは少し違う場所から考えられるようになる。


見えなくなったものは、なくなったものではない。








XXX






続いて、

LABRAT BOOK CLUBです。(本ばっか)

今回ご紹介する写真集はこちら。



Chronicles Vol.2 : Kim Gordon



All works by @kimletgordon


First published in 2007 by @nievesbooks



Sonic YouthのKim Gordon。

X-Girlを作ったKim Gordon。

アーティストとしてのKim Gordon。


たぶん、そういう肩書きから離れたところにある本。


娘のCokoや姪、Thurston Moore、友人たちのために描いていたドローイング。

コラージュやペインティングも混ざっている。

誰かに見せるための作品というより、

身近な人との間に残っていたものを覗いている感じ。


上手いとか、完成しているとか、

そういうこととは違う。


人に向けて描いたものには、

作品として作ったものとは別の温度が滲む。


彼女のかっこよさの理由が、少しわかった気がした。


32ページ。

チューリッヒの Nieves から。


Kim Gordonのこころのなか。



せっかくなので、Vol.1もさらっと。


2005年に出たこちらは、

The Strokesのライブを見ながら、

Bob Dylanの「Chronicles」について話すKim GordonとJuliaの会話から始まる。


Dylanの神話、Kurt Cobain、若い頃の記憶。


Kimが延々と考えている横で、JuliaはThe Strokesの髪型やお尻を見ている。

そのあとに、Kim Gordonのポートレートが並ぶ。


Vol.1は外から見たKim Gordon。

Vol.2はKim Gordonのなか。


2冊並べると、そんな感じがする。




*全ての写真集はプライベートコレクションのため

販売しておりません。

販売中の本屋さんは、Instagramでご確認下さい。






XXX





それでは、

近日LABORATORY®に入荷予定のもの、

一部すでに入荷しているもののなかから、

私が気になった古着商品を少しご紹介します。


オンラインストアに掲載済みのアイテムは、

画像下の文字色が変わっている部分にリンクを貼っていますので、

ご確認くださいませ。


FILSON 定価すっごい高いやつ


雰囲気良しなミリタリーシャンプレー

ステンシル入り


ちょっとライトウェイトになって

履きやすい後期M-65パンツ


何となく、良いコリジャンが手に入ったので。

そろそろ秋の準備も。


ラッセルのダブルフェイス。

無地っていうのも良い。



レーヨンのオープンカラーシャツ

オンブレチェックを考えた人は天才。

消えていく途中のようにも、生まれてくる途中のようにも見える。


*SOLD

半端丈の501 BIGE。

今のご時世、自分ではこんなカスタムする勇気は持てません。

正面からは見えませんが、

密かにBUD配送車を襲っているカエル


MONOPOLY "Go to Jail"


90年代を思い返すと、

スケーターはパウエル、サーファーはOPやRON JONでした。

STUSSYはどっちも。

ドッグタウンはスーサイダル系。

結構、その頃のサーファースタイルもシンプルで好きなんです。

デカ履きの501XXにRON JONにビーサン、ゴローズみたいな。

その後ギャル男になっちゃうけど。


90's GT BicycleのツアーT

BMXものは見かけませんね


70年代のランニングブームを牽引した

伝説の雑誌 The Runners MagazineのTシャツ


チャンピオンの白ボディの染み込みって少ないです


ナイキとPorky Pig


よくアメリカのスポーツものでみかける、

対戦相手のチームにPeeしてるカルヴィンくん


Jeff Smith "BONE"

大手出版社を一切通さず、自分のレーベルだけで出し続けたかっこいいコミック


トムクルーズよろしくなTOP DOGスヌーピー


ちょっと夜の匂いがするネオングリーンのミッキー

ニューウェーブとかポストパンクとか


*SOLD

ディズニーオールスターズ

当たり前だけどみんな老けない


中世ヨーロッパで大流行し、多数の犠牲者を出したペストを、

ロックTテイストで仕上げた一枚。

あまりの死の多さからこの時代、メメント・モリの思想がヨーロッパ中に広まっていく。

先日亡くなった山田五郎さんの、最後のYouTubeがメメント・モリの回でしたので。

ご冥福をお祈りいたします。


サンダーー


WILD BREED

飼い慣らされていない側の血統、くらいの意味。

言葉通りのボロとフェード。


レトロなリンガーとアイロンプリント、ハエが飛んでるスカル。

サイズ感も含めてこの辺のヴィンテージTは気分ど真ん中です。


大人気なWestcoast Choppers


*SOLD

HELL


1977年当時もの。いいわぁ。


バットマンとジョーカー


「Sex and the City」のドラマじゃなくて

スロットマシーンの方っていう


着やすいY2K ロッキーホラーショー


Chaos! ComicsのEvil Ernie

もうノースリーブ着れないけどかっこいい、着たい。


平野耕太「HELLSING」のアーカード

ちゃんと北米版のライセンスもの


*SOLD

FREE TIBET

デプン・ロセリン僧院の北米巡回公演のツアーグッズだけど

やっぱりビースティ・ボーイズを感じる


Bessie SmithとB.B.キング

ベッシーが戦前のブルースなら、B.B.は戦後

エレキでブルースを都会の音楽にした人。


DOWN

パンテラが世界的なバンドになった後で、

フィルが組んだのが地元ニューオーリンズの仲間だったっていうのが良い

 

00年代でも、

ちゃんとタグ付き(プリントタグじゃない)ってところに拘ってセレクトしています


SLIPKNOT

亡くなったベーシストへの追悼盤

 

めちゃくちゃおっきいエディ

こわい

 

ネオングリーン

 

さらば青春の光

 

もうロン毛じゃない、大人のメタリカ

 

*SOLD

調べたら、2011年でもとんでもない値段するシャーデー。

ちょっと腑に落ちなかったので限界まで安くしています。

自分の基準は忘れたくありません。

 

*SOLD

NINといえばこれ

 

AKIRA

日本が誇るアニメTの最高峰。

アニメがそのまま海外のストリートに乗った、最初の一枚だと思う。

 


blackmeans irregular ロゴTシャツ

 

ジュートとリネンをミックスした涼しげなライダース

 

blackmeansの新作もちょこちょこ入荷していますので、

こちらもチェックしてみてください。

 

 

 

 

こんな感じで

ブログでのご紹介は以上ですが、

店頭にはもっとたくさんのグッドスタッフが入荷しておりますので

原宿にお越しの際は是非LABORATORY®へお立ち寄りください。

 

弊社の都合で恐縮ですが、

当面のあいだ、オンラインストアの商品アップは

毎週火、金曜日の2回になります。

ご了承ください。

 

 

気になる商品がございましたら、

メールやInstagramのダイレクトメッセージにて

お気軽にお問い合わせください。

順次ご対応させていただきます。

 

 

スタッフ一同、

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 


ONLINE STORE

 

 

 

 

 

 

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