1970年代。英国の風を浴びてきたそのレザーは、ただの衣類という枠を超え、ひとつの景色を纏っているかのようです。
今回ご紹介するのは、ルイスレザーの中でもひときわ個性が際立つスーパーモンザ。
ライトニングやサイクロンと並ぶ代表的なモデルでありながら、より静かで、少し緊張感のある佇まいを持っています。前に出すぎないのに、視線は自然とそこに集まる。そんな不思議な存在です。
肩と肘に配されたダイヤモンドキルティングは、当時の英国らしい合理性から生まれたディテール。
必要性から生まれた形が、結果としてこれほど美しく残っている。70年代ルイスの魅力は、まさにそこにあります。
こちらはレディースモデルとして仕立てられた一着ですが、表記は38。
女性が肩を落として、少しラフに羽織るのもいい。
細身の男性が、短めの着丈を活かして、タイトにシャープに着るのもいい。
着る人を限定しないところも、この時代のルイスらしさです。
フロントにはヴィンテージの証とも言えるアルバートジップ。
アルミ特有の鈍い光が、このジャケットが重ねてきた時間を静かに伝えてくれます。
新品では決して再現できない、革の撓み。
鮮やかさを手放すことで手に入れた、奥行きのある赤。
完璧ではないのに、もう手を加える余地がない。そんな完成度です。
袖を通した瞬間、背筋が少しだけ伸びる。
それでいて、不思議と前から自分のものだったように馴染む。
スーパーモンザというモデルが持つ静かな存在感と、ヴィンテージならではの懐の深さ。その両方を自然に感じられる一着です。
